因縁の末の同業潰し
素行調査をお問い合わせした経緯
歯科医師の院長様からのご依頼です。3ヶ月前に退職した歯科医師が近所で新しく歯科医院を始めて独立した。と言う噂を小耳にはさんだそうです。
本人とは、退職前に競業避止義務を結び、退職後3年以内は当院(依頼者様の医院)の同一地域内に転職、または独立しないこと。と言った内容で契約していた。本人も理解しているとの事だったので、「競業避止義務の確認書」を提出してもらったそうです。
確認書を提出後、本人は退職し、その後は特に何も問題なかったそうです。
ですが、ある時、当院の受付スタッフが「この前退職した〇〇さん(対象者)、独立したらしい」と言う会話をしていたところが聞こえて、確認すると、どうやら患者さんが待ち合わせ室で話しているところが聞こえたそうです。
当時の契約内容的には、同一地域外であれば独立しても大丈夫なので、地域外だろうとは思っていたそうですが、以前当院にて勤務している時に、本人が「早く独立してここよりも良い歯科院をつくる」と電話で誰かと話しているところを目撃してしまったので、同一地域内にて独立している可能性もあるかもしれないそうです。
空振り覚悟ではあるが、調べてもらって従業員たちとスッキリした気持ちで仕事を行いたいとのことでご依頼頂きました。
素行調査依頼者の情報
勤務年数 | 部署 |
15年 | 歯科医師 |
依頼会社
会社概要 | ||
不動産事業会社 |
対象者
年齢 | 性別 | 職務 |
40代 | 男性 | 課長 |
依頼者ヒアリング内容
依頼目的 | ・元社員の行動調査 |
必要証拠 | ・職場の住所、職業 |
調査期間 | ・2日間 |
調査方法 | ・張り込み、尾行 |
調査概要
調査事前準備
対象者の自宅のみわかっていた為、自宅マンション付近にて待機しました。 マンションの外からは対象者の部屋の窓が確認でき、カーテンが揺れている様子から自宅にいると想定しました。
自宅マンションは正面出入り口と、東側に非常用出入り口があり、非常用出入り口は目視での確認が難しかったため、遠隔隠しカメラを用いて確認できるようにしました。
対象者の移動手段がわからなかった為、どの移動手段にも対応できるよう、車両・バイク・自転車を用意し万全に備えました。
調査開始
調査スケジュール
本人自宅マンション前より調査を開始する
これまで本人の行動は見られない
本人は正面出入り口から出て最寄駅方面へ歩く
月極駐車場に着くと本人車両と思われる車に乗り、柏駅の方向へ走行する
本人車両は柏駅から少し離れたところにある、戸建の歯科医院内の駐車場に駐車する
その後、本人はカバンから鍵を取り出し、開けて入る
これまで本人の行動は見られない
同歯科医院に従業員と思われる女性が入り、その後入り口付近を清掃している
これまで本人の行動は見られない
患者と見られる男性が同院に入る
院内を外から確認すると、本人は診察をしている様子である
その後、患者と思われる女性が同院へ入る
最初に入った患者の男性が同院を出る
その後女性の患者も同院を出る
従業員の女性が出入り口の看板を「休診」に変える
本人は同院を出て、本人車両に乗り、走行する
本人車両はラーメン屋に入り、駐車する
車を降りると、ラーメン屋に入る
本人は食事をしている様子である
本人はラーメン屋を出て本人車両に乗る
その後歯科医院方面に走行する
本人車両は歯科医院に到着し、朝駐車した場所と同じ所に駐車する
本人は車を降り、同院に入る
従業員の女性が、入口の「休診」看板を外す
再開した様子である
これまで本人の様子は見られない
数分おきに患者と思われる人が数人、同院に入る
これまで、本人の行動は見られない
尚、約40〜50分おきに患者が出てきている様子である
これまで、本人の行動は見られない
院内を外から確認すると、本人は診察中である
この日最後の患者と見られる人が同院を出る
従業員の女性が入口の看板を「本日の営業は終了しました」に変える
従業員の女性が退勤する
本人が同院を出て、鍵を閉める
その後本人車両に乗る。
本人は社内で携帯を操作した後、自宅方面へ走行する
本人車両は月極の駐車場に車を止め、降りると自宅方向へ歩く
本人は自宅マンションに到着する
これまで、本人の行動は見られない
依頼者の申し立てにより本日の調査を解除する
まさかの場所に歯科医院が、、、
調査してみると、本人が経営している歯科医院は、依頼者様が経営している歯科医院から半径3km以内の地域内に存在していることが確認できました。歯科医院の名前も本人の名字から由来されていると見られるクリニック名だった為、本人が経営している歯科医院と判明しました。
別日には、、、
別日の調査では、歯科医院は休診日でしたが、本人は朝からクリニックに向かっていました。クリニックに到着すると、是正工事があるそうで、工事業者の人が到着していました。本人はクリニックの鍵を開けて業者の人が中に入っていく様子を確認しました。
調査報告
完成した報告書を、ご依頼者様にお渡ししました。報告書を読み進めると、クリニックの外装写真を見た際に「うちのクリニックと色味が違うだけでデザインが少し似てる、、。」と仰っていました。
話を聞くと、本人は以前から働いていたご依頼者様のクリニックに不満を持っていたそうで、その不満を解決しようと話し合いを何度も試みたそうですが、一向に予定を合わせてもらえないまま退職されたそうです。他の従業員からも話を聞くと、本人は「独立して開業して、絶対この歯科医院を超えてやる、、」と鬼の形相で話しているところを見たそうです。
今回、報告書を持って、今後どのように本人に対応していくのかを、クリニックの集客状況などを見て考えていこうと思います。と仰っていました。
アフターサポート
報告書をお渡しした数週間後に、ご連絡をいただきました。元従業員がクリニックを開設したことが広まり、患者さんがそっちに流れていってしまったそうです。これでは経営困難になりかねないので損害賠償しようと思います。と連絡をいただきました。
弁護士先生をお探しでしたので、企業案件に強い弁護士先生を紹介させていただきました。依頼者様からは、とても話しやすい弁護士先生で安心してお願いできます!と仰っていました。
後日、再度連絡を頂いたところ、結果は競業避止義務を理解しており、確認書まで提出したにも関わらず近隣にて同業にて独立したため、損害賠償を払ってもらうことになったそうです。
何度か本人と話し合いを行い、本人側が非を認めたとのことで、しっかりと損害賠償を払ってもらったそうです。もちろん、本人は開業したてで金銭的にも余裕はなかった為、分割にて支払うことで合意したそうです。
本人の開業したクリニックは競業避止義務に記載してる、3年間を目安に営業を停止することになり、依頼者様のクリニックの患者さんで移動してしまった患者さんも無事に戻ってきて、危機を回避できたそうです。
せっかく身につけた知識を潰し合いのために使おうとするなんて、勿体無いし自分に返ってくることを考えられなかったのでしょうか・・・?
ご依頼者様は、本人が身につけた知識を正当に使用し、更生して違う場所でまた歯科医師として1から頑張ってもらいたい。と仰っていました。
ご依頼いただきましたクリニック様の益々のご発展をお祈りしております。
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